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のろのろのろ雑記


2006年12月21日 USBワンセグチューナー VGA-TV1S

_ [レビュー]USBワンセグチューナー VGA-TV1S

 サンワサプライから発売されている、USB接続のワンセグチューナー「VGA-TV1S」を買ってみました。ワンセグチューナーはたくさんありますが、「高感度アンテナが付属している」「F型コネクタで壁のコネクタや室内アンテナと接続出来る」という2点からこれを選びました。

 「ワンセグ放送をパソコンで。」と書かれた箱はやや小ぶりで、それほど重くありません。中をあけてみると、裏面に書かれている「製品構成」のほかに、持ち運び用の黒い巾着とアンテナコネクタ変換(→F型)アダプタが付いていました。

ハードウェア

 本体は軽くコンパク トで、裏面にはスピーカー… ではなく、熱を逃すための穴があります。ただし、使っていても「ぬるい」ぐらいの温度しかありません。直接USBポートに挿すと若干グラつくので、若干硬めのUSB延長ケーブルを使うと良いかもしれません。

 アンテナは2種類あって、短いアンテナ(伸ばせます)は直接挿すだけ。高感度アンテナは、アンテナ部が別になっていて最初に繋げる(ネジなのでくるくる回す)必要がありますが、それをすればあとは挿すだけ。

ソフトウェア

 説明書があるので、それに従えばインストールは簡単です。NewSoftの「Presto! PVR」がインストールされます。また、録画予約監視プログラムが常駐します。

 操作は分かりやすく、映像ウインドウが独立しているので「ながら見」するのも簡単です(常に手前に表示出来ます)。映像の明るさ等をコントロールする機能が付いていたり、EPGまたは指定による録画予約機能には「毎週」「平日」といった繰り返し指定があったりと、必要な機能をきちんと押さえている感じです。

 ただ、まだまだ出たばかりで問題もあります。EPGの更新中に強制終了することがあったり、録画データのシークが出来なかったり、二重音声・多重音声の切り替えが出来ず両方聞こえていたり、字幕がはみ出たり… さらに、ソフトウェアを起動する度に監視プログラムが無駄に増えていくようです。アップデートに期待したいところです。

 ソフトウェアを起動して映像が表示されるまで14秒、チャンネル変更に4秒と、レスポンスは若干遅めですが、許容出来る範囲です。

アンテナ、感度、画質

 比較対象がなく受信場所にもよるのでなんとも言えません。F型コネクタでケーブルテレビの電波を注ぎ込むと、途切れることなく安定して受信してくれます。高感度アンテナを使えば、屋内(窓から2〜3mほど)でも7割ぐらいの局を受信し、多少途切れますが表示出来ます。

 画質はあまり期待していませんでしたが、「思ったよりは」綺麗でした。動きの激しいスポーツ映像はたくさんのブロックノイズに見舞われますが、そうでなければ気になりません。12セグメントのハイビジョン放送には遠く及びませんが、気軽に見るには十分な綺麗さです。拡大表示はおすすめしません。

12/28追記:ソフトウェアの最新版が公開されました

 12/27に最新版が公開されました(サンワサプライ:ダウンロード)。「字幕がはみ出る」「番組表や字幕の一部が化けることがある」「二ヶ国語音声の指定が出来ない」といった不具合が修正され、「字幕の全アンチエイリアス化」「チャネルサーフィン(全チャンネルを切り替え表示・遅いけど)」「新スキン」などの機能が加わりました。ただし、二ヶ国語音声の切り替えは「左右のどちらかだけ再生(どちらかだけ聞こえる)」というお粗末なもので、主音声・副音声が逆という問題を抱えています。


2006年12月29日 VGA-TV1S ワンセグ録画データを解析(1)

_ [解析]VGA-TV1S ワンセグ録画データを解析(1)

 サンワサプライのUSBワンセグチューナ「VGA-TV1S」の録画データを解析。とは言っても、鍵を解読とかコピーフリーとかではなく、暗号化されたデータのままでチラチラ見ただけ。

解析

 解析には、「Presto! PVR(Newsoft)」で録画したデータを複数使用した。なお、録画したのは関西圏のワンセグ放送で、2006年12月21〜29日に行った。

形式
  • 拡張子はntsで、録画時間などを記すヘッダ・フッタは存在しない。
  • 188バイト間隔で 0x47(71) が存在することから、MPEG-2 TS形式で記録されていると推測される。
    • TSパケット単位であれば、ファイルを分割出来る。末尾のTSパケットが途切れていても構わない。
    • TSパケット単位かつ同じ放送局であれば、ファイルを結合出来る。ただし、結合部分がしばらく音声のみ流れる場合がある。

構造
  • 通常のTSパケットと同様。
  • ヘッダは平文で、sync_byteやPIDを調べることが出来る。ペイロードは暗号化されている様子。
特徴
  • 恐らくアプリケーションの仕様だと思うが、約1850Kbpsになるようにダミーパケット(パディング)が大量に含まれている。ダミーパケットを取り除くと再生されない。
  • どの放送局も、1秒ごとにPID 0x10と0x24、5秒ごとにPID 0x14のパケットを送信。
放送局名全パケット数映像音声
NHK総合(神戸・大阪サイマル)238.4151.233.9
NHK教育(大阪)237.7150.733.8
毎日放送(TBS系)271.1167.433.8
朝日放送(テレ朝系)242.6139.133.7
関西テレビ(フジ系)254.0153.533.7
よみうりテレビ(日テレ系)267.6162.136.8
テレビ大阪(テレ東系)256.8166.433.6
  • 各放送局のダミーを除く1秒あたりの各パケット数は上記の通り。なお、映像・音声についてはパケット数や同一パケットの有無からPIDを推定した上で集計。
    • 音声は48Kbps(よみうりテレビは52Kbps)、映像は200〜240Kbps、全体では340〜390Kbpsと推定される。
    • ビットレート推定については、パケットのヘッダ以外をデータと仮定すると音声が49.6Kbps(よみうり除く平均)となるが、これを48Kbpsとなるよう一定倍率を掛け合わせて算出。

とりあえずここまで。