2008年09月06日 [ColdFire] ColdFire×P2P地震情報(6) 計測震度との対応を見る
_ [ColdFire] ColdFire×P2P地震情報(6) 計測震度との対応を見る
Interface 9月号付録基板を使い,P2P地震情報のサービスを作ってしまう勝手な企画です.過去の記事は,タイトルのColdFireカテゴリからどうぞ.
前回までのまとめ
- 「ズレ」「ノイズ」「サンプリング間隔」の問題をクリアし,"地震計としてのColdFire基板"が出来上がりました.
- これから,いよいよ"ColdFire基板 地震計"を制作していきます。
計測震度との対応を見る
揺れの大きさとして「震度」が一般的であることや,震度階級の元となる計測震度が揺れの周期などを十分考慮して決定されていることを考えれば,ColdFire基板でもおおよそ相当する震度を出したいものです.
そこで,これまでズレやノイズを解消するために作った『フィルタ』を通した値が,気象庁の計測震度とどう関係しているかを見ていきます.
幸い,気象庁には100 Hzサンプリングの加速度データと計測震度が一部公開されています.20 Hzサンプリングにするため5個に1個の間隔でデータを取得してフィルタを通し,ベクトルを用いて加速度の大きさを求めます.
フィルタを通さない場合の3方向,通した場合の3方向と2方向,3ケースを比べました.フィルタを通すことにより,計測震度との対応が良くなっていることが分かります.±0.5くらい誤差がありますが,ひとますこれでやってみましょう.
まずはシミュレーション
まずは,表計算ソフトを用いてシミュレーションしてみます.ExcelやOpenOffice.org Calcを例にすると,フィルタはAVERAGE,ベクトルは各軸の2乗を足したものをSQRTすればよいので,プログラムと全く同等のシミュレーションができます.
震度の算出については,Excelが "y = 0.7968 Ln(x) + 0.9717" と言っているのでこれを用います.最初に,静止した状態のノイズレベルがどの程度の震度になるのかシミュレーションしてみました.
なんということでしょう! 静止しているのに震度3だなんて…
つづく…