2006年12月29日 VGA-TV1S ワンセグ録画データを解析(1)
_ [解析]VGA-TV1S ワンセグ録画データを解析(1)
サンワサプライのUSBワンセグチューナ「VGA-TV1S」の録画データを解析。とは言っても、鍵を解読とかコピーフリーとかではなく、暗号化されたデータのままでチラチラ見ただけ。
解析
解析には、「Presto! PVR(Newsoft)」で録画したデータを複数使用した。なお、録画したのは関西圏のワンセグ放送で、2006年12月21〜29日に行った。
形式
- 拡張子はntsで、録画時間などを記すヘッダ・フッタは存在しない。
- 188バイト間隔で 0x47(71) が存在することから、MPEG-2 TS形式で記録されていると推測される。
- TSパケット単位であれば、ファイルを分割出来る。末尾のTSパケットが途切れていても構わない。
- TSパケット単位かつ同じ放送局であれば、ファイルを結合出来る。ただし、結合部分がしばらく音声のみ流れる場合がある。
構造
- 通常のTSパケットと同様。
- ヘッダは平文で、sync_byteやPIDを調べることが出来る。ペイロードは暗号化されている様子。
特徴
- 恐らくアプリケーションの仕様だと思うが、約1850Kbpsになるようにダミーパケット(パディング)が大量に含まれている。ダミーパケットを取り除くと再生されない。
- どの放送局も、1秒ごとにPID 0x10と0x24、5秒ごとにPID 0x14のパケットを送信。
放送局名 | 全パケット数 | 映像 | 音声 |
NHK総合(神戸・大阪サイマル) | 238.4 | 151.2 | 33.9 |
NHK教育(大阪) | 237.7 | 150.7 | 33.8 |
毎日放送(TBS系) | 271.1 | 167.4 | 33.8 |
朝日放送(テレ朝系) | 242.6 | 139.1 | 33.7 |
関西テレビ(フジ系) | 254.0 | 153.5 | 33.7 |
よみうりテレビ(日テレ系) | 267.6 | 162.1 | 36.8 |
テレビ大阪(テレ東系) | 256.8 | 166.4 | 33.6 |
- 各放送局のダミーを除く1秒あたりの各パケット数は上記の通り。なお、映像・音声についてはパケット数や同一パケットの有無からPIDを推定した上で集計。
- 音声は48Kbps(よみうりテレビは52Kbps)、映像は200〜240Kbps、全体では340〜390Kbpsと推定される。
- ビットレート推定については、パケットのヘッダ以外をデータと仮定すると音声が49.6Kbps(よみうり除く平均)となるが、これを48Kbpsとなるよう一定倍率を掛け合わせて算出。
とりあえずここまで。
2006年12月21日 USBワンセグチューナー VGA-TV1S
_ [レビュー]USBワンセグチューナー VGA-TV1S
サンワサプライから発売されている、USB接続のワンセグチューナー「VGA-TV1S」を買ってみました。ワンセグチューナーはたくさんありますが、「高感度アンテナが付属している」「F型コネクタで壁のコネクタや室内アンテナと接続出来る」という2点からこれを選びました。
「ワンセグ放送をパソコンで。」と書かれた箱はやや小ぶりで、それほど重くありません。中をあけてみると、裏面に書かれている「製品構成」のほかに、持ち運び用の黒い巾着とアンテナコネクタ変換(→F型)アダプタが付いていました。
ハードウェア
本体は軽くコンパク トで、裏面にはスピーカー… ではなく、熱を逃すための穴があります。ただし、使っていても「ぬるい」ぐらいの温度しかありません。直接USBポートに挿すと若干グラつくので、若干硬めのUSB延長ケーブルを使うと良いかもしれません。
アンテナは2種類あって、短いアンテナ(伸ばせます)は直接挿すだけ。高感度アンテナは、アンテナ部が別になっていて最初に繋げる(ネジなのでくるくる回す)必要がありますが、それをすればあとは挿すだけ。
ソフトウェア
説明書があるので、それに従えばインストールは簡単です。NewSoftの「Presto! PVR」がインストールされます。また、録画予約監視プログラムが常駐します。
操作は分かりやすく、映像ウインドウが独立しているので「ながら見」するのも簡単です(常に手前に表示出来ます)。映像の明るさ等をコントロールする機能が付いていたり、EPGまたは指定による録画予約機能には「毎週」「平日」といった繰り返し指定があったりと、必要な機能をきちんと押さえている感じです。
ただ、まだまだ出たばかりで問題もあります。EPGの更新中に強制終了することがあったり、録画データのシークが出来なかったり、二重音声・多重音声の切り替えが出来ず両方聞こえていたり、字幕がはみ出たり… さらに、ソフトウェアを起動する度に監視プログラムが無駄に増えていくようです。アップデートに期待したいところです。
ソフトウェアを起動して映像が表示されるまで14秒、チャンネル変更に4秒と、レスポンスは若干遅めですが、許容出来る範囲です。
アンテナ、感度、画質
比較対象がなく受信場所にもよるのでなんとも言えません。F型コネクタでケーブルテレビの電波を注ぎ込むと、途切れることなく安定して受信してくれます。高感度アンテナを使えば、屋内(窓から2〜3mほど)でも7割ぐらいの局を受信し、多少途切れますが表示出来ます。
画質はあまり期待していませんでしたが、「思ったよりは」綺麗でした。動きの激しいスポーツ映像はたくさんのブロックノイズに見舞われますが、そうでなければ気になりません。12セグメントのハイビジョン放送には遠く及びませんが、気軽に見るには十分な綺麗さです。拡大表示はおすすめしません。
12/28追記:ソフトウェアの最新版が公開されました
12/27に最新版が公開されました(サンワサプライ:ダウンロード)。「字幕がはみ出る」「番組表や字幕の一部が化けることがある」「二ヶ国語音声の指定が出来ない」といった不具合が修正され、「字幕の全アンチエイリアス化」「チャネルサーフィン(全チャンネルを切り替え表示・遅いけど)」「新スキン」などの機能が加わりました。ただし、二ヶ国語音声の切り替えは「左右のどちらかだけ再生(どちらかだけ聞こえる)」というお粗末なもので、主音声・副音声が逆という問題を抱えています。
2006年11月28日 P2P地震情報 on Vista
_ [P2PQ]P2P地震情報 on Vista
「アップデートでエラーが出るよー」と言われたので、VMwareでVista(RC1)を入れて試してみました。確かにBeta2より快適に動作しますね(余談)。
確かにアップデート周りがダメ。というより、アップデータ(P2PQ_Updater.exe)のUpdateという文字列で「管理者権限が必要」と認識されているらしい。P2PQ_Client.exeからの呼び出しが失敗するわ、起動するたびにいちいち警告が出るわ、ランタイムがないと怒られて結局終了するわで、酷い有様です。
違うファイル名で再コンパイルすると正常動作… と思いきや、Program Files内は管理者権限がないと書き換えが行えず、アップデータがファイルの更新にことごとく失敗。しかし、管理者権限を与えるとランタイムがないと怒られて(以下省略)。
とりあえず、もう1度じっくり調べた方が良さそうです。それにしても、「このプログラムの発行元も目的もわかりません。」というメッセージは何だか余計な不安をもたらしてくれそう。
2006年11月20日 読めなくなったCD-R
_ [PC]読めなくなったCD-R
パソコン周りを掃除していたら、正体不明のCD-Rが何枚も。順に調べていくと、KNOPPIX、KNOPPIX、KNOPPIX… KNOPPIXが3枚。Debian(sarge)のインストールCD、ブータブルになってない失敗CDと、使い道に困るもの多数。
「せめて、マジックで内容を書いておけよ・・・」と思いつつ、読み込めないCDを発見。レーベル面に何も書かれていないので、何が書き込まれているかさっぱり分かりません。古くても4,5年前に書き込んだはずですが、もう読み込めなくなっているとは。
昔(とは言っても2001年ぐらい)は、CD-RWを消去しては書き込んだり、意味もなくパケットライトして取り出しに時間が掛かったりしたものでした。当時はメディアの「品質」を知るはずもなく、家電量販店で10枚スピンドルのPrinco製メディアを買ったものです。で、読み込めなくなったのがまさにそれ。
無駄もいいところです。ご利用は計画的に(?)。
2006年11月05日 安直に「LargeSystemCacheを1に」と言う人が多すぎる
_ [PC][カスタマイズ]安直に「LargeSystemCacheを1に」と言う人が多すぎる
(!)追記 2009/03/15
- これは古い記事で,おもにWindows XPやWindows Server 2003を対象としたものです。
- Windows Vistaでは,そもそもLargeSystemCacheは使われていない可能性が高いです。
以下、初投稿(2006/11/05)時点の内容
サーバの様子がおかしい。おかしいのは、メモリの空き容量の変化である。
- 時間が経つにつれ、メモリが徐々に減っていく
- ファイルを転送すると、メモリが急激に消費される
- メモリが減るとOSがメモリを確保して、また繰り返し
これをグラフにすると、常にギザギザ。安定性が求められるサーバでは、いい感じがしない。
サーバのメモリを増やすべきかと思いつつ、「窓使いの友」を立ち上げて改善出来そうな設定項目を探していると、1つ気になる箇所が。そこを設定すると、現象がなくなったどころか、メモリに余裕が出来てしまった。その設定とは、「LargeSystemCache」。
LargeSystemCacheとは
- 「窓使いの友」では、「パフォーマンス 1」タブの「メモリ配分をキャッシュ優先にする」にチェック。
- (WinXP)コントロールパネル→システム→「詳細設定」タブ→パフォーマンスの「設定」ボタン→「詳細設定」タブ→メモリ使用量を「システム キャッシュ」に。
- レジストリキー HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Control\Session Manager\Memory Management に DWORD値「LargeSystemCache」を1で作成。
上記の方法で設定可能な「LargeSystemCache」は、「アプリケーション起動用に確保されているメモリを開放する」と解説しているページが多い。しかし、この解説は間違っている。
本当のところ、LargeSystemCacheとは
Microsoft TechNetに「LargeSystemCache」の項があるので、一部を翻訳。
ファイルシステムキャッシュを増やすと、一般にサーバパフォーマンスを向上させます。しかし、アプリケーションやサービスに使用出来る物理メモリ領域が減ります。同様に、あまりシステムデータを書き込みしなければ、ディスクサブシステムの使用は最小限になります。しかし、そうでなければ、変更されたページはアプリケーションによって使われる可能性のあるメモリを占有します。
- LargeSystemCache 0の時:約8MBのファイルシステムキャッシュを確保します。システムは、利用可能なページが約1,000を下回るまで、変更されたページが物理メモリ上に残ることを許可します。この設定は、SQLサーバのように自らキャッシュしたり、IISのように程よい量のメモリでパフォーマンスを発揮したりするアプリケーションにおすすめです。
- LargeSystemCache 1の時:必要であれば、搭載物理メモリ量-4MBまで拡張することの出来る大きなシステムキャッシュワーキングセットを確保します。システムは、利用可能なページが約250を下回るまで、変更されたページが物理メモリ上に残ることを許可します。この設定は、大規模なネットワーク上で稼動するサーバにおすすめです。
「ページ」はメモリを管理する単位のこと(通常4KB/ページ)。「0」にした場合、ファイルシステムキャッシュが8MB確保され、空きメモリが少なくなると解放される。「1」にした場合、必要に応じて物理メモリのほとんどがシステムキャッシュとして確保され、空きメモリが極端に少なくなると解放される。Microsoftによれば、これがLargeSystemCacheの設定による正しい動作だ。
つまり、LargeSystemCacheを「1」にしておくと、メモリが開放されるどころか、物理メモリのほとんどがシステムキャッシュとして消費されてしまうわけだ。ファイルを転送するとメモリが急激に消費されたのも、この設定によってキャッシュされたためと思われる。それ相応のメモリを積むファイルサーバでもない限り、無意味にメモリを消費する上、メモリが必要な時に解放作業でパフォーマンスが低下してしまう。
効果や影響を正しく理解して使用しているならともかく、デタラメな解説を鵜呑みにしてとりあえず設定しているような環境(このサーバを含む)では、一度見直したほうがいいだろう。